ページ余り、朗読するだけでCD2枚分の時間がかかります。私たちが脚色のポイントとしたのは、「原作の言葉を(時間の関係で)省略はしても変更はしない」ことでした。原作の言葉は、歌うために大幅に整理せざるを得ませんが、言葉の変更・置き換えは一切行っていません。それでも、上演には約2時間を要します。上演に立ち会った方々から「内容がよくわかった」「原作を改めて読みなおすきっかけになった」などの声を頂けたのは嬉しいことでした。
このたびの「せんくら」では、「銀河鉄道の夜」という作品の魅力の一端をお伝えできるよう、さらにコンパクトな45分バージョンを作りました。ここにおさまりきらなかった部分に、面白いところ、大切な言葉がたくさんあります。この公演が、原作を読み直すきっかけになったら嬉しいです。
「せんくら・うた劇場」と銘打ったのは、この合唱劇「銀河鉄道の夜」が、歌であると同時に劇的なストーリーを持っているためです。そういった作品は古今東西いろいろありますから、これから「せんくら」の中でシリーズとして上演していったら面白いのではないかなという個人的な思いを、私は持っています。
思いがけず、中村さん、山さん、原田さん、橋さん、そして倉戸さんというとても素晴らしい演奏家の皆さんが、銀河のお祭りに集まってくださることになりました。重唱版としては初演になります。45分でめぐる『銀河鉄道の夜』、ご一緒に楽しんで頂けたら幸いです。
宮澤賢治さんの墓所(2007年12月 撮影・吉川)
合唱団じゃがいもによる合唱劇「銀河鉄道の夜」
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