コンチェルトの愉しみ (山田和樹)
2014-09-26


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一公演目:
・ショパン/ピアノ協奏曲第1番(牛田智大さん)
ピアノの詩人と言われたショパンの協奏曲だけあって、ピアノの超絶技巧が光る曲になっています。オーケストラは控えめに書かれているのですが、それでも演奏には繊細な神経が要求されます。若さ溢れる牛田さんの瑞々しいショパンに期待大です。

ニ公演目:
・シューマン/チェロ協奏曲(山崎伸子さん)
今回、僕のたっての希望が叶い、山崎さんと仙台で共演できることになりました。山崎さんの奏でる音楽はどこまでも深く、独特の温かさがあります。僕はすっかり山崎さんのファンになってしまい、今回の共演に繋がりました。
決して派手な曲ではないのですが、ソロもオーケストラもその内面性が問われる名作です。

三公演目:
・モーツァルト/クラリネット協奏曲(ダヴィット・ヤジンスキーさん)
モーツァルト晩年の傑作。一音一音が宝石のようで、いつも演奏中には時間が過ぎ去っていくのをもったいなく思う曲です。僕が震災後に初めて日本で演奏した曲目でもあるので、特別な想いもあります。仙台フィルの誇る名手、ヤジンスキーさんの妙技に注目です。
・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(小山実稚恵さん)
言わずと知れた名曲「皇帝」。オーケストラが冒頭に奏でる和音で、いかに風格を出せるかが指揮者の腕になってきます(自分へのプレッシャーになってしまいますが)。小山さんとは過去に2度共演させていただきましたが、ベートーヴェンでご一緒するのは初めてになります。「皇帝」という名曲にどのようにアプローチなさるのかとても楽しみです。

四公演目:
・モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番(ヴァディム・ホロデンコさん)
ホロデンコさんとは仙台フィルの定期演奏会でもご一緒して、その模様はCDでも発売されています。彼独特の音楽観と世界観がどのようにモーツァルトの音楽と化学反応を起こすのか、一ファンとして楽しみで仕方がありません。彼ならではの繊細なピアニズムが聴かれるでしょう。
・メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(松山冴花さん)
名曲中の名曲。魅力溢れる冒頭を「窓を開けたら闇が入り込んできた」と形容した友人がいました。華麗さから物悲しさまで、叙情性がたっぷり詰まった作品です。松山さんとは初共演。ホロデンコさんも松山さんも、仙台国際音楽コンクールの慧眼を証明する存在と言えるでしょう。

五公演目:
・サラサーテ/カルメン幻想曲、ツィゴイネルワイゼン(大江馨さん)
両曲共に、ヴァイオリンの超絶技巧が要求されます。お馴染みのメロディーがどのように展開されていくのか、若きヴィルトゥオーゾ・大江さんの姿から目が離せなくなるでしょう。
”第九”と共に「せんくら」フィナーレを飾るのにふさわしいプログラムです。

素晴らしいソリストの方々とお送りする”協奏曲づくし”とも言える「せんくら」公演、皆さまに会場でお会いできるのを楽しみにしています!!


山田和樹
[山田和樹]

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